2023.07.19
星天への愛着が生まれる、地域のハブを目指して/無印良品500 星天qlay
2023年2月にオープンした星天qlayのBゾーン(星川駅周辺部)。星川駅の改札を出て自動ドアを越えた先には、文字通り「良品」が並ぶ「無印良品500 星天qlay」があります。
全国展開している店舗でありながら、各店舗が地域に根差し、それぞれの個性が光る無印良品。「無印良品500 星天qlay」では、どのような店舗づくりが行われているのでしょうか。
寄り道や回り道が好きで、偶然の出会いやつながりを誰よりも楽しんでいるという、店長の鶴田茉理奈さんにお話を伺いました。
「無印良品500」ならではのラインナップ
店舗の前を通ると目を引かれるのが、100円のコインが印象的なこちらのディスプレイ。「500円以下の商品を中心とした日用品店」がコンセプトの新業態「無印良品500」は、既存の「無印良品」では埋もれてしまいがちだった500円以下の、日常生活で役立つ商品にスポットライトを当てています。
鶴田さん「食器やカトラリーが前面に出ることは、既存店ではほとんどありませんでした。『無印良品って食器もあったんだ』と言われることも多い一方、実は愛用いただいている方の多い商品でもあるので、星天qlayではあえて店舗のトップにカトラリー類を並べています。『無印良品に、実はこんな商品もあるんだよ』と見せられるのは無印良品500の店舗ならではなので、足を運んでくださった方に、無印良品の『実は』を提供し続けていきたいです。」
鶴田店長のおすすめ商品
「無印良品500」ならではのラインナップってどんなものがあるの?ということで、鶴田さんに「実は」おすすめな500円以下の商品をご紹介いただきました!
1つ目は、磁器ベージュのカップ(大:490円、小:390円)。「無印良品らしい」デザインで、ロングセラーの商品なんだとか。磁器ベージュのシリーズは、カップ以外にもプレートや平皿など品揃えが豊富のため、シリーズで食器を揃えて統一感を出すのがおすすめだそうです!
2つ目は、隙間掃除シリーズ(各150円)。鶴田さんいわく、「小さいので、大きな店舗では埋もれがちですが、知る人ぞ知る名品」とのこと。ヘラ、ポイントブラシ、ブラシ、スポンジの4種類展開で、様々な汚れに対応できるのが嬉しいところ。お手頃価格のため、用途に応じて必要な用具を揃えることができますね!
五感を使ったお買い物体験
インターネットで簡単に商品が買える昨今。だからこそリアルの店舗では、『五感を使ったお買い物体験』を大切にしているんだとか。
鶴田さん「お客様に楽しんでいただけるよう、売り場には意識的に遊び心を入れています。手書きのポップもその一つで、お店にいる『人』を感じてほしいという想いで作成しています。この人が書いたんだなと顔を覚えてもらえたらとても嬉しいですし、お客様と会話をすることで商品の使い方やよりニーズに合った商品をご提案することもできるので、店舗ではそういったコミュニケーションを大切にしたいと思っています。」
5月からは毎週土日に試食会を実施しており、「味覚を使ったお買い物体験」が、週末の恒例行事になっています!
地域への愛着がわく空間づくり
星天qlayならではの個性が光るのが、こちらのイベントカレンダー。「無印良品500 星天qlay」と、同じく保土ヶ谷区内にある「無印良品イオン天王町」のワークショップやイベントの情報をチェックできます。さらにカレンダーの下には、星川・天王町の地域イベントのチラシも並んでいます。
鶴田さん「『小売り業を通して、地域の人々と連携しながら地域の活性化や課題解決に取り組む』というミッションをかかげている無印良品は、まちづくりに力を入れている星天qlayと相性が良いと感じています。ゆくゆくはイベントカレンダーに星川・天王町エリアの様々なイベント情報を記載し、地域の情報が集まるコーナーに育てていきたいです。」
人と人を繋げる地域のハブを目指して
星天qlayへの出店にあたり、2022年9月に初めて星天エリアを訪れたという鶴田さん。お店のコンセプトを考えるため、なんと約1ヶ月間まちを歩きまわったそうです!
鶴田さん「帷子川沿い、公共施設、天王町の商店街や、保土ヶ谷駅の方まで歩いて行ったこともありました。まちを歩きいろいろな方と出会ううちに、地域のために何かをしたい、このまちでおもしろいことを始めたいという方や、既に熱量を持って活動されている方の多さに驚きました。
同時に、そういった方々はまちに点在し、個々がそれぞれに頑張っている状態であることにも気が付きました。そこで、私たちがいろいろな方と連携することで、同じ想いを持っている方々を繋げたり、一緒にできる形を探るハブ的な役割を担いたいと考えるようになりました。」
こうしてご縁が繋がり、「無印良品500 星天qlay」では、地元の小学生が描いた絵の展示、横浜市内や相鉄線沿線で循環型マルシェを展開する株式会社Woo-By.Styleによる「夕方マルシェ」や週末のワークショップなど、さまざまな企画が行われてきました。地域のハブを目指して店舗づくりを行うなかで、鶴田さんは「星天qlayは、地域で何かをしたい人たちのパワーが集まりやすい場所」だと感じているそうです。
鶴田さん「星天qlayのように遊び心のある施設は珍しく、新鮮さを感じています。テナント同士の協同企画のお話も出ていますが、施設レベルでも、まちレベルでも、最初の一歩を踏み出すのは勇気がいると思うので、まずは私たちが率先して行動を起こして、この一歩のハードルを軽くしたい。そうして星天qlayを介して同じ想いを持った人たちが繋がると、きっと何か大きいことが、このまちで起きるのではないかと思っています。」
回り道できる余白のある生き方を
鶴田さん(左)と星天qlayのコミュニティビルダー・松本千花さん(右)
最後に、鶴田さんにとっての「生きかたを、遊ぶ」について伺いました。
鶴田さん「私は寄り道や回り道が好きで、心の赴くままに歩くと、思わぬところで答えが見つかることが多い気がするんです。『生きかたを、遊ぶ』は、『ちょっと寄り道できる余白』をつくりたいと常々思っていた気持ちを表現してくれたジャストな言葉だと思っています。
この店舗は新規開業でゼロからのスタートだったので、そういった意味で余白はありましたが、まだまだ遊び足りない気もしているので、もっともっとおもしろいことを仕掛けていきたいです。」
星天qlay、そしてこのまちの可能性を、期待を込めて語ってくれた鶴田さん。「星天でやりたいことがある!」というあなたはぜひ無印良品に足を運び、一緒にまちを盛り上げていきませんか?
取材・文/橋本彩香