星天qlayとは

2024.10.18

一人ひとりを大切に/ ばばほいくしつ星川

2023年12月、Cゾーンのオープンと同時に星天qlayに移転した「ばばほいくしつ星川」。定員は12名で、小規模保育園の良さを存分に活かした保育を行っています。子どもたち一人ひとりと丁寧に向き合うために、どのような工夫をしているのでしょうか?

今回は「星天qlayに移転するのが念願だった」と語る園長の佐藤千晶さんに、ばばほいくしつが大切にしていること、そして星天qlayへの思いを聞きました。

 

幸せの種を芽吹かせる

0歳から2歳までの12名を預かるばばほいくしつ星川。園長である佐藤さんが園の設計にも携わり、子どもたちが過ごしやすい環境づくり大切にしています。

佐藤さん「私は、『子どもはみんな幸せの種を抱いて生まれてくる』という言葉が好きです。そして、その幸せの種がすくすくと健康的に育つかどうかは環境次第。私たちは、芽が生えるその土の下を耕すイメージで保育をしています。

0~2歳の子どもは日常動作の一つひとつが大切になってくるので、やらされるのではなく、自ら行えるような関わりや環境づくりを意識しています。そういった私の理想とする丁寧な保育を突き詰めた結果、たどり着いたのがばばほいくしつの小規模保育でした」

小規模保育の強みを活かして

「おしごとコーナー」には、先生お手製の教具が並んでいる

ばばほいくしつではモンテッソーリ教育を取り入れています。モンテッソーリ教育とは、「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という自己教育をもとに考えられた教育法です。

佐藤さん「星天qlayのコンセプトである『生きかたを、遊ぶ』を聞いたときに、まさに私たちがやっていることそのものだなと感じました。生きていて楽しい、生きるって素晴らしいと感じられるように、自分で好きなことを見つけて取り組めることが一番大切だと思うんです。なのでばばほいくしつでは、この時間はこれをしましょうという決まりはありません。子どもたちが好きなことを見つけて、のびのび楽しめるように環境を整えています。

そのような環境作りの一環で、ばばほいくしつでは『モンテッソーリ教育』を取り入れています。モンテッソーリの教具を置いた『おしごとコーナー』では、子どもたちは自由に遊ぶことができます。教具の多くは、『この子は今こんなことに興味があるな?じゃあこういう教具を作ってみよう!』と子どもたちの様子を見ながら先生たちが手作りしたものです。

0~2歳の子どもはどんどん手先を使ってみたい気持ちが出てきます教具に触れてその気持ちが満たされ、楽しそうにしている子どもたちをみると、嬉しい気持ちになりますね。子どもたち一人ひとりに合わせた環境を工夫する時間が確保しやすいことは、小規模保育ならではの良さだと感じています


~point~
佐藤さんの経験から年齢ごとにお部屋を分けることにこだわっており、0歳児用、1歳児用、2歳児用の3つのほいくしつがある。各部屋に2人ずつ保育士がついており、常に一人ひとりに目が行き届くので、安心して子どもを預けることができる。

 

こだわりのカリキュラム

佐藤さん「乳児期の子どもを預かる保育園では珍しいですが、ばばほいくしつでは食育も行っています。1歳はこれ、2歳はこれをやるという決め方ではなく、目の前にいる子どもたちの興味関心から食育の計画を立てています。園で育てた野菜を調理室に届けて、給食で出してもらうことも食育の一環です。調理師さんは給食の時間にそれぞれの部屋を回ったり、保育士と話をして、子どもたちのことをよく理解してくれています。保育士と調理師が連携しながら、子どもたち一人ひとりの食の進捗や食べられる食材に合わせたメニューを作っているのがうちの強みです。

英語にも力を入れていて、週に2回ネイティブの先生をお呼びして、10~20分程度、歌や絵本、ゲームの時間を作っています。その後はネイティブの先生たちも保育に入って、英語で子どもたちに話しかけています。すると子どもたちは、朝の会で天気を尋ねたときに英語で答えたり、英語で『じぶら』と呟きながらパズルをしたりします。遊びの中で日本語と同じように自然と英語にも親しみを感じているのではないかと思います

 

心待ちにしていた星天qlayへの移転

移転前は星川駅から徒歩15分ほどの坂の途中に園を構えており、お散歩にバギーが使えなかったり、園見学の際に場所が伝わらなかったりと苦労することも多かったのだとか。立地が悪くても保育理念に惹かれて通ってくれる保護者の方も多いなか、なんとか平地への移転を模索していたところに、星天qlayができる話が舞い込んできたと言います。

佐藤さん「移転先を探していたなかで星天qlayができるという話を聞きました。申し込みが通ったら星天qlayにいけるとみんなでわくわくしながら待っていて、やっと移転が叶いました。保護者の方々も移転が決まってとても喜んでくださり、引っ越しもサポートしていただきました。

移転後はいろいろなテナントさんがご挨拶に来てくださって、コラボレーションのお声がけをしてくださったり、本当に夢が広がる環境だと感じています。PINEDEさんが声をかけてくださって、8月には2歳児クラスでクッキーづくりとアイスのトッピング体験をさせていただきました。PINEDEさんの店舗にお邪魔させていただいて、子どもたちは一生懸命に、そしてとても楽しそうに取り組んでいました。乳児期の子どもたちでもできることを考えて提案してくださって、とてもありがたかったです。地域の皆さんと一緒に子どもを育てていきたいと思っているので、これからさらに色々なことができればと思っています」

 

好きなことをやり、分かち合う

最後に、佐藤さんが思う「生きかたを、遊ぶ」、そして地域の方へのメッセージをいただきました。

佐藤さん「子どもたちがこの世に生まれてきてよかった、生きるって楽しいと思ってもらえるためにはどうしたらいいかを考えたときに、やっぱり好きなことを存分にやることだと思うんです。好きなことを追求して、自分なりに楽しんで生きていってほしい。そしてそれは、大人も子どもも同じだと思っています。

それとは反対に、『生きるってつまらない』になってしまう要因を考えると、いつも1人だったり、相談したり喜びを共有する相手がいない、自分を認めてくれる存在がいないことかなと私は思っていて。たとえ自分の好きなことができていても、そういう人たちがいないと、どこか寂しい人生になってしまうと思うので、生きるって楽しいと思うには、人というのはすごく大事なのではないかと思います。

今までは奥まった分かりにくい場所にありましたが、この場所にきてやっとばばほいくしつのかわいい子どもたちを見てもらえるという喜びを感じています。子どもの成長、泣き笑いをそばで見てきて、日々私たち保育士が元気づけられているので、ぜひ地域の皆さんにも、ばばほいくしつというのがあって、かわいい子どもたちが近くにいることを知ってもらい、まちなかにいる子どもたちをあたたかく見守ってもらっていただけたらありがたいです」

 

取材・文/橋本彩香

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