2025.02.17
大人から子どもまで、楽しく身体を動かせる教室を目指して/YELLOW体操教室
次世代が学べて交流ができ、ものづくりや創造ができる場を集約した星天qlayのCゾーン。その一角に、全面ガラス張りで活気に溢れている体操教室・レンタルスタジオがあります。
この教室の名前は、YELLOW体操教室。楽しく身体を動かすことを目的とした教室で、幅広い年代の子どもたちが体操を学んでいます。
今回は星天qlay店の武者店長に、YELLOW体操教室が大切にしていること、そしてこのまちへの想いを聞きました。
3つの「安」
1歳4ヶ月から高校生まで、幅広い年齢層の子どもたちに向けレッスンを行っているYELLOW体操教室。教室を運営するうえで3つの「安」を大切にしているそうです。
武者さん「YELLOW体操教室は、大会で結果を残すというよりは、身体を動かして楽しむことを目的とした教室です。『安』全に体操ができ、『安』心して通えるレッスンシステムで、数ある体操教室のなかでも『安』い料金設定にするという3つの『安』を大切にしています。
体操は危険な動きもあるので、子どもたちが無我夢中で取り組むなかで怪我をしないよう安全を第1に考えて指導しています。そのなかで楽しさを学んでもらい、身体を思うように操れるようになってくれたらと思っています。
また、ただ身体を動かすだけではなく、挨拶などの礼儀作法もきっちりできるようなレッスンを心がけており、心身ともに子どもたちが成長できる場として教室を運営しています」
レッスンは安全性を考慮し、指導者の目が行き届く少人数で実施。レベルや年齢に応じてクラス分けをされているので、自分のレベルに合わせたレッスンを受けることができます。体操をするスペースのすぐ隣には見学スペースが設けられており、保護者が見学可能となっています。
武者さん「できないことが少しずつできるようになっていく楽しみを感じられるのが体操だと僕は思っています。また、できなくても頑張る姿勢、泣いてでも頑張ってレッスンに通ってできるようになる。そういうことが子どもにとっていい経験になるのかなと思います。
レッスンのインターバルでは、保護者の皆さんとコミュニケーションをとるように意識しています。『これができるようになりましたね』、『今日は調子が悪かったですね。 でもまた次頑張りましょう』という何気ない会話を重ねて関係性を作れたらと思っています」
毎週土日の17時から19時半はフリー開放日となっており、YELLOW体操教室の生徒ではない方も90分間、自由に教室を使用可能。(※月に1度日曜日は休み)。チアマットがあるので、チア部の学生がアクロバット技の練習をしに来ることもあるそうです。
さらにスタジオはレンタルも行っており、ダンスレッスンや成人向けのレッスンなど、さまざまな用途で利用することができます。
体操の楽しさを広めたい
長年勤めた競技者向けのクラブから、身体を動かすことを”楽しむ”YELLOW体操教室に転職をした武者さん。その方向転換にはどういった背景があるのでしょうか?
武者さん「僕は幼い頃から体操をやっていて、長年指導者もしています。過去には競技向けの体操クラブで指導者をしており、全国大会で優勝した選手を指導させていただいたこともありました。
その一方で、競技人口が少ない体操ををもっと広めていきたいという思いもあり、競技とは違うレベルのところで、体操の楽しさを感じたいと思っていました。YELLOW体操教室が盛り上がっているというのは前職の時から知っており、思い切って方向転換しました」
体操の楽しさを広めるため、競技を離れ、”楽しむ”体操の世界へ踏み出した武者さん。現在は子ども向けレッスンを展開しているYELLOW体操教室ですが、ゆくゆくは成人向けのレッスンを開きたいという目標もあるのだとか。
武者さん「現在は午前中はレッスンがない状況です。少子高齢化でもあるので、成人向けの体操教室も広げていきたいという個人的な野望があります。柔道整復師(※)の国家資格を所持しているので、この資格を生かして、シニア向けの体操教室もやってみたいです。
大きな窓から子どもがレッスンしている様子を見ているご年配の方も多いので、そういった大人の方・ご年配の方にも施設を利用していただいて、子どもから大人まで身体を動かすことを習慣化できる施設になったらいいなと思っています」
(※)骨折や脱臼、捻挫などの怪我に対して治療を行うプロ
星天を自分の居場所に
星天qlayができる以前から、体操の大会で時々星川駅を利用していたという武者さん。星天qlayに対しては、当時訪れていた時とは全く違った印象を抱いているそうです。
武者さん「星天qlayに初めて来たとき、すごく綺麗なところだなと思いました。実際に働き始めると、綺麗なお店がたくさん並んでいて、新しい施設だなというイメージです。個人的に、星天qlayという施設名もオシャレで好きです。
僕は高校進学時に体操留学で地元を離れてから、大学、就職といろいろなまちを転々としてきたので、いつかは自分の居場所が欲しいと思っていました。星天にはしばらく腰を据えたいと思っているので、出会った人たちに僕はここにいるよと伝えられる居場所としてみんなに広めて、地域の人たちにもそれが浸透していって、身体のことだったらYELLOW体操教室に行けば武者に何か教えてもらえるかも。そう思ってもらえるようになったら嬉しいです。
そのためにはまず通ってくれている子どもたち、そして保護者の皆さんとコミュニケーションをとりながら、最終的には大人の方も運動できるような施設になれば、星天qlayのコンセプトである『生きかたを、遊ぶ』につながってくるのではないかと思っています。地域の皆さんにはぜひ、身体を動かしたくなったらYELLOW教室に来てほしいなと思っています」
子ども心を忘れない
最後に、武者さんが思う『生きかたを、遊ぶ』について伺いました。
武者さん「生きかたを、遊ぶとは、ありのままに動くことかなと思います。僕は自由奔放な性格で、あれもこれもやりたいと思うけれど、実際に行動してみると合わなかったり、しんどくなってなかなか続かなかったりするところがあります。そのなかでももっとわがままに、自分の思いをさらけ出すように生きる、そんな風に常に子ども心、遊び心を忘れずに生きるのが、『生きかたを、遊ぶ』ではないでしょうか」
地域の子どもたちが体操を楽しみながら、心身ともに成長していく場となっているYELLOW体操教室。「体操をもっと多くの人に広めたい」という武者さんの想いによって、これからさらに幅広い世代がこの場所を利用し、地域にとって欠かせない居場所となっていく未来が楽しみです!
取材・文/橋本彩香